私のオルガンシューズです。
桐朋音大ではピアノ専攻でしたが、副科では二年間オルガンを鈴木雅明先生のもとで勉強致したのでした。このオルガンシューズはオルガンを始めた18歳の時に専門のお店で足にピッタリ合わせて手作りしていただいた上質なもので私の宝物です。
オルガンレッスンでは鈴木雅明先生にあちこちの教会に連れて行っていただき、様々なパイプオルガンを弾かせていただきました。人数の少ないオルガン副科 (4〜5人)でしたので合同レッスンでお互いの演奏も仲良く聴き合い、その後には先生を囲み皆で飲みながら (最年少、未成年の私はノンアルコール☆)の食事会。バッハに特に傾倒されておられた先生が熱っぽく語られるお話はいつも刺激的で、それをワクワクしながら聴かせていただくのが楽しみで仕方ありませんでした。夏休みには先生が主催された神戸のオルガン合宿にも参加した青春の思い出のオマケ付き!
その後、20歳の時よりカトリック初台教会のオルガニストを務めました。数え切れないほど沢山の御ミサ、演奏会、結婚式、お葬式等々で弾いて参り、教会が建て直されて新しいパイプオルガンが入ることになった時にも委員会のメンバーに携わり、他のオルガニストの皆さんと楽器の製作に関する勉強をし、献堂式には演奏をさせて頂いたのでした。夏には鈴木敬一神父様の運転で二度ほど茅野の観想修道院 (「沈黙」と「祈り」の中で生活をされるシスター方に間近に接したこと、自ら選び取った献身の人生に迷いが無く誇りを持つ彼女たちの幸せそうな薔薇色の頰、情熱に輝く目の光は生涯忘れられません。)でオルガンの合宿に参加させていただいたのも私には大きな出来事でした。
結婚前の最後のクリスマスの深夜ミサではシャルパンティエのミサ曲を弾き、その後結婚。すぐ妊娠したので妊婦には危険があると言われオルガン控えざるを得ず、出産後落ち着いた途端、今度はアメリカに引っ越しでなかなかオルガンに再び触れるきっかけを掴めないまま今日まで来てしまった次第でした。
今までも本当はチャンスはあったのかもしれないのだけれど、ブランクが出来てしまうと再出発するためには勇気とエネルギーが必要なので。。。。それが足りず、なかなか踏み出せなかったのでした。
でも、とうとう再びオルガンを弾く気持ちの準備が整いました。
少し前にブログに綴りました来月初めの結婚式の御ミサで演奏するお仕事をいただいたことだったのですが、当初は入場の時奏楽、一曲だけの依頼の筈が御ミサの中の演奏全部を任されることに決まり、ならばピアノだけでなく、壮麗なるオルガンの音色も必要かと自分で客観的に判断したのがきっかけです。
こんな時にはいつも思うのだけれど、「誰かに喜んでもらうためならば頑張れる」ことって実に多いですよね。今回も結婚されるお二人の門出を祝福したい気持ちが私を動かしました。久々の足鍵盤にも喜んで挑むでしょう。
オルガンシューズを履くのは久しぶり。数えてみたら10年ぶりです!
何だか本当に嬉しくて、改めて自分はオルガンが好きだったのだなぁと気付かされました。